やきとり大吉で独立開業

大吉呼ぶひと 先輩店主の声

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フードライター嶋渕未花が店主になるまでの3ヶ月間を密着

3ヶ月目

※写真はイメージです

12月25日。
3軒目の研修店・大阪府の江坂店にて。4度目の面会。

あれ?あれれ?何だか見違えるように明るく、声も大きく張って元気なMさん。一体どんなマジックが?
こちらの店主の一言が効いたらしい。
「口角を上げてみ」。
これが、魔法の言葉。ずいぶん簡単だ。
「笑顔で!と言われても面白くもないのに笑うの難しいでしょ。でも口角を上げていると、笑顔に見えるし、自然と顔も上がるし、声のトーンも上がるもんですよ」と店主。
「口角上がってるかどうか、しょっちゅう顔見るで」と店主に言われて、すっかり笑顔が板についてきたというわけだ。
「発声練習もしてます。ネットで腹式の発声方法とか見たりして」と照れ笑う笑顔もナチュラル。
接客態度も見違えるようだ。注文を早口でどんどん言う客には「はさみ2人前ですね」とわざと合いの手を入れて、一呼吸置かせる技なども身につけている。
「ビールのお代わりいかがですか?」などと、さり気ない営業の仕方とか、3店それぞれのやり方がMさんの中に蓄積して、きちんと発動しているのが見て取れる。
「『これ何?』と訊かれるメニューは決まっている、ということも分かってきました。もううろたえることもないです」と晴れ晴れとしたお顔。
焼きも一通り学び、焼いたものを賄いとして店主やスタッフみんなに食べてもらっているらしい。
「美味しいと言ってもらってます」とMさんは嬉しそうに言う。
「焼けたら食べれる、焼き鳥はそれでいいと思ってる人も多いけど、焼きには終わりはない。Mさんは探求心があるから、間違いなく美味しい焼き鳥を焼いていけると思うよ」と店主もエールを贈る。
「本当に“焼き”は面白い深い世界。自分で食べて食べて自分の焼き方をマスターしていくことに、やり甲斐を感じます」とMさん。やり甲斐なんて言葉が聞けるとは!
先月はとてもじゃないが、1ヶ月後に開店なんてムリだろうと思えたが、ここへ来ての急成長ぶり。おたまじゃくしになかなか手も足も生えないと思っていたら、いきなり蛙になったみたい。
「技術はまだまだ間に合ってないから不安もあるけど、早くやりたい気持ちもどんどん湧いてきてる」とMさんのコメントも空約束ではなく、きちんと自分の状態を把握した上での現実的なものになってきたよう。
2週間後には、本当にもう開店することが決まった。何だかスゴイ。
Mさんは言う。
1軒目のJR伊丹店では、心を込めてありがとうを言うこと。丁寧に気持ちを込めて仕事をすることを学んだ。
2軒目の三宮店では、こうしたらより美味しくなると追求していく姿勢を学んだ。
3軒目の江坂店では、笑顔と元気を学んだ。。。と。
そして私は知った。研修店の店主は、教えるプロだと。
それにしても3人の店主が、こうもうまい具合に役割分担しているのはどういうことだろう。
「研修記録を付けてもらってるんですよ」と本部。そのシートは、学校の成績表のごとく、それはそれは細かい項目が立てられている。「仕込み準備」の項目は、仕込みの準備、衛生管理、仕入れ、買い物、釣り銭準備など1つ1つできているかどうか、○△◎など付ける。「接客」の項目では、元気で明るい声出し、お客様への気配り、適切な接客用語などについて。「焼き」の項目には、焼き加減、塩の振り方と加減、スピードなど。そのほか「ドリンク」「閉店」などの項目もある。また、「ねっく」「はさみ」「ずり」「かわ」と串1つ1つの仕事も評価されるシートがある。
これで、何ができているかできていないかを、次の研修店に申し送る。総合コメントにはやる気が出てきたとか、性格とか、問題点など事細かに書かれてあるらしい。それでしっかり連携も取れていたわけか。

※記載内容は取材当時の情報を元に作成しております

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