やきとり大吉で独立開業

大吉呼ぶひと 先輩店主の声

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フードライター嶋渕未花が店主になるまでの3ヶ月間を密着

「たった3ヶ月で店主になれる」。
このうたい文句には、カラクリがあるのではなかろうかと思っていた。

よくあるではないか。3ヶ月で店主になる人は、何かしら経験のある人で、「最短が3ヶ月」という意味だったりする、アレ。
ところが、
「いや、まれに研修期間を延長しなければならない場合もありますが、ほぼ全員が3ヶ月で自分の店を始めますよ」と、自信満々の本部。
一体、どんな魔法を使っているのか。
その謎を解き明かすため、Mさんの3ヶ月を追った。

研修初日

10月1日 Mさんに遭遇。

「彼は、今日が研修初日なんですよ。3ヶ月後には立派な店主になってますよ」
と、牟田社長(当時)から紹介を受けた。まずは経験の有無を知りたいと、「前職は何をなさってたんですか?」と訊ねると、Mさん「風の道を作っていました」。
空調設備機器を作る工場で働いていたらしい。“風の道”とは風流な表現をなさる方だ。上背もあってなかなかの男前。いやいやそんなことより、飲食経験は0、サービス職でもない。そんな人が3ヶ月で店主になる?!一体どうやって?
好奇心を抑えられず、Mさんの3ヶ月を追いかけることにした。

Mさん29歳。大阪に生まれ育った。ガテン系で働いたがケガをきっかけに、知り合いの薦めで19才から空調の会社に転職した。10年目、数人の部下を持つ立場になっていたMさんに、関東への転勤話が持ち上がった。しかし、Mさんには密かに温めていた夢があった。
「いつか一国一城の主になりたい」。
仕事の能力は認められ、出世の見込みもあった。それでも
「自分が頑張った分、返ってくる仕事がしたい。大きな組織の歯車の1つでいるのは張り合いがない」と、ずっと考えていたのだそうだ。
30歳を機に-と、いろいろ調べていたところへの転勤話。出世を約束された話ではあったが、Mさんはそれを蹴って、独立を決意した。

「雇われのほうが楽だろう」と友人たちには言われた。
「でも自分は人生掛けたい。面白い仕事をしたい」。
結婚2年目になる奥さんは、高校時代の後輩。
「10代のときから、この人は、いつか自分で何かを始めたいと言ってたから。不安はあるけど私も手伝います」と、保育士の仕事を辞めて協力してくれることになった。

それにしても、二人とも飲食の経験も接客やサービスの経験もない。なぜ『大吉』だったのだろう。
「コンビニや弁当屋なども考えましたが、大抵は仕入れ先なども決まっていて、自分で考える、作っていくという面白みがないように思ったんです。『大吉』はその点面白そうだし食べるのは好きですし。それに焼き鳥って流行り廃りのない商売かなと思って」。

確かに、私たち日本人は昔から鶏を飼い、捌いて食べてきたし、ソウルフードと言えるかもしれない。
Mさんは、『大吉』5店舗ほどを見学がてら夫婦で食べ歩いてみたらしい。
「駅前の店は忙しそうだったけど、僕は人見知りしないし、大丈夫、できそうと思いました」。

今日から最初の店で30日間の研修が始まる。研修先の近くのウイークリーマンションから通うことになる。
「不安とワクワク感、今は両方ありますね」と、落ち着いた足取りで研修先へと出かけていった。その背中を私は不安いっぱいで見送った。
「できそう?」そんなに簡単かな。

※記載内容は取材当時の情報を元に作成しております

一カ月経過

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